2011年中南米の政治地図―民主政治の定着に影を落とす中米の選挙

執筆者:遅野井茂雄 2011年12月12日
タグ: 国連 大統領選
エリア: 中南米

 2011年中南米では4カ国で大統領選挙が行なわれた。

 アルゼンチンのクリスティナ・キルチネル大統領、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領が連続再選を果たし左派政権の座を守った他、ペルーでは中道左派のウマラ政権が誕生した。中道左派政権のグアテマラでは決選投票で一転して右派のオトー・ペレス元将軍が大統領の座を射止めた。ウマラ政権の穏健さが際立っていることを考慮すると、2010年にかけて顕著となった中南米諸国の中道化への傾向は(2010年11月16日「中道化する中南米の政治地図」参照)、継続しているとみてよいであろう。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
遅野井茂雄(おそのいしげお) 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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