原発事故は官邸で起きたのか?――事故調は「原発サイトの11日間」こそ明らかにせよ

執筆者:塩谷喜雄 2012年6月11日
タグ: 原発 日本
エリア: アジア
国会事故調に参考人として出席した菅直人前首相(c)時事
国会事故調に参考人として出席した菅直人前首相(c)時事

 3.11から1年と3カ月たち、政府や国会の原発事故の調査・検証活動は、事故の本質には一歩も踏み込まぬまま、逆に事故の真因と責任の所在を覆い隠す格好で、終幕を迎えようとしている。

 事故は福島第一原発のサイト内で起きた。首相官邸で誰かがボタンを押し違えて発生したわけではない。隣接する4つの原子炉が連続して致命的に損壊するという、世界に類例のない事故が、なぜ福島第一で起きたのか。地震・津波の襲来から外部への放射性物質の大量放出まで、当事者はどんな対策をとり、炉心と原発システムの溶融・破壊はどのように拡大・進行していったのか。それを防ぐ技術的・政策的手立てはなかったのか。

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執筆者プロフィール
塩谷喜雄(しおやよしお) 科学ジャーナリスト。1946年生れ。東北大学理学部卒業後、71年日本経済新聞社入社。科学技術部次長などを経て、99年より論説委員。コラム「春秋」「中外時評」などを担当した。2010年9月退社。
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