以前もこの欄で取り上げた台湾の「鴻海精密工業」によるシャープへの資本参加問題が、大きな岐路を迎えている。
2500億円の赤字を計上したシャープの株価が底なしの下落を見せ、先週末には192円になった。この株価は、3月下旬に鴻海が資本参加を表明したときに示した取得基準株価の「550円」という当時の株価から6割ほど下落したことになる。鴻海は670億円を投入し、9.9%のシャープ株を取得し、筆頭株主になることが当時の合意事項だった。
しかし、その後、鴻海は、台湾の金融当局の許可が出ていないため、シャープ株の購入資金をまだ日本に送金していなかった。もし3月のままの「550円」という価格で取得するとなれば鴻海には「高い買い物」になり、多額の損失を計上しなければならなくなる。
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