「レーガン賞賛」で浮かび上がる「ブッシュ前政権の失政」

執筆者:足立正彦 2012年9月7日
エリア: 北米

 最近の大統領選挙キャンペーンで共和党の正副大統領候補の2人が繰り返し訴えている常套句がある。それは1980年の大統領選挙本選挙キャンペーンで現職大統領のジミー・カーターの再選を阻止するため、共和党大統領候補であったロナルド・レーガン元カリフォルニア州知事が繰り返し使っていた、「あなたの暮らし向きは4年前よりも良くなりましたか(Are you better off than you were four years ago?)」という決まり文句である。米国政治を長年見守ってきた専門家らにとっては聞き慣れた表現である。1980年以降も、再選を目指す現職大統領が、「経済・雇用問題」を主要争点として攻撃される際に使われることが多く、大統領選挙を現職大統領の信任投票(リファレンダム)に持ち込もうとする狙いがある。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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