台湾からジミー・ライ=黎智英が去った日

執筆者:野嶋剛 2012年10月24日
タグ: 中国 香港 台湾

 台湾にいたこの週末、香港の企業家・黎智英(ジミー・ライ)が台湾における すべてのメディア事業を、台湾の中国信託・台湾プラスチックなどの企業連合に175億台湾ドルで売却することが決まったとのニュースが流れた。ある種の感 慨が胸に湧いてくると同時に、台湾の言論へのマイナスの影響について嫌な予感も覚えた。


香港で「ジョルダーノ」などのアパレルを成功させ、新聞・雑誌でも成功を収めてメディア王にもなった黎智英は、12年前に台湾に進出し、日刊紙「りんご日報」や週刊誌「壹週刊」などを相次いで立ち上げた。

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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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