政治をゼロから考える (10)

いま問われるべき「首相の解散権」

執筆者:宇野重規 2012年11月22日
エリア: アジア

質問 「首相の解散権はどのように行使されるべきでしょうか?」

11月14日の党首討論で突然解散に言及した野田首相(右)(c)EPA=時事
11月14日の党首討論で突然解散に言及した野田首相(右)(c)EPA=時事

 党首討論の席での野田佳彦首相による解散発言は大きな波紋を呼びました。何とか選挙を先送りしたいと思っていた民主党議員はもちろんのこと、解散を迫っていた当の安倍晋三自民党総裁ですら、突然の発言に動揺を隠せませんでした。  まさにこの瞬間しかない、と思い定めていた野田首相の作戦通りとも言えますが、与党議員すら押し切ってのこの決断は、あらためて首相の解散権とは何なのかを考えさせるきっかけとなりました。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
宇野重規(うのしげき) 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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