大主教交代へ「英国国教会」が悩む「女性聖職者」「同性婚」

執筆者:秦野るり子 2012年11月26日
エリア: ヨーロッパ
次期大主教に決まったウェルビィ師 (C)AFP=時事
次期大主教に決まったウェルビィ師 (C)AFP=時事

 英国国教会(聖公会)の頂点に立ち全世界に8000万人の信者を誇る全聖公会(アングリカン・コミュニオン)を率いる次期カンタベリー大主教に、主教歴わずか1年のジャスティン・ウェルビィ主教(イングランド北部ダラム教区、56歳)が任命された。聖アウグスティヌスから105代目となる次期大主教は、石油業界で活躍した異例の経歴を持つ。ローワン・ウィリアムズ現カンタベリー大主教(62歳)の10年間で大揺れに揺れた教会を立て直すため、実業界で培った次期大主教の手腕に期待が集まるが、ウェルビィ師任命は教会の抱える問題の根深さを物語っている。 

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執筆者プロフィール
秦野るり子(はたのるりこ) 1957年東京生まれ。江戸川大学教授。1982年、読売新聞社入社。経済部に配属され、農水省、流通業界、通産省(現経産省)、日銀などを担当。89年に国際部へ異動。ワシントン、ジャカルタ、ローマ特派員、国際部デスクなどを経て2008年から調査研究本部主任研究員。コロンビア大学ジャーナリズム大学院客員研究員、カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院客員講師も務め、2016年から富山国際大学教授、2019年から現職。著書に『ローマ法王2年目の挑戦』(読売新聞社)、『バチカン』(中公新書ラクレ)、『悩めるローマ法王 フランシスコの改革』 (中公新書ラクレ)などがある。
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