昨年末以降、期せずして「高額所得者に対する増税」が米国や日本、フランス、そしてインドで議論されはじめた。グローバリゼーションが進展し、あの手この手での節税が可能な昨今ではあまり効果が上がらないのでは、という気もするが、ここではまずインドでの事例について考えてみたい。
インドにおいて、スーパー・リッチと呼ばれる富裕層から高率の所得税を徴収しようという考えは、過去の税制改革論議の中でも何度か提案されてきた。今回、政府経済諮問委員会のランガラジャン委員長は1月5日、現行の基本税率はそのままに、所得が一定レベルを超える富裕層に対して新たな税金を課す考えを表明、「高額所得者は喜んで協力してくれるだろう」と述べた。これによって、インドではにわかに金持ち増税を巡る議論が活発化した。
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