台湾の映画監督・李安(アン・リー)が撮った「ライフ・オブ・パイ」が現在日本でも上映されている。2月に発表された米アカデミー賞で李安は2005年の「ブロークバック・マウンテン」に続く監督賞を受賞した。アジア人の映画監督として恐らく過去最高の栄誉を世界から与えられた映画人と言っていいだろう。
李安の作風は必ずしも一貫していない。逆に言えば、一作ごとに前作を踏襲しない作品を我々に見せてくれる。「グリーン・デスティニー」はいわゆる中国の武侠劇のスタイルだった。「ブロークバック・マウンテン」はゲイの人々の愛の姿と悲しみを描いた現代ドラマ、「ラスト、コーション」は中国の近代史を扱った。そして今回の「ライフ・オブ・パイ」ではSFと3Dにチャレンジした。
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