メルケル首相も失望した「名門バイエルン会長」の脱税醜聞

執筆者:佐藤伸行 2013年5月9日
エリア: ヨーロッパ

 5月25日に行なわれるサッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝はバイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントというドイツ強豪同士の対決となった。ドルトムントは、若きスーパースター、MFマリオ・ゲッツェがバイエルンに引き抜かれる(移籍は7月の予定)という衝撃の渦中での試合となり、首脳陣のバイエルンへの敵愾心は沸騰状態にある。片や、バイエルンには、名門チームの育ての親とも言うべきウリ・ヘーネス会長(61)の巨額脱税事件という未曽有の嵐が吹き荒れている。バイエルン経営陣は、CL優勝によって名誉を挽回し、今の難局を「正面突破」しようという心算であり、ドルトムントとの戦いは負けられない一戦になってしまった。

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執筆者プロフィール
佐藤伸行(さとうのぶゆき) 追手門学院大学経済学部教授。1960年山形県生れ。85年早稲田大学卒業後、時事通信社入社。90年代はハンブルク支局、ベルリン支局でドイツ統一プロセスとその後のドイツ情勢をカバー。98年から2003年までウィーン支局で旧ユーゴスラビア民族紛争など東欧問題を取材した。06年から09年までワシントン支局勤務を経て編集委員を務め退職。15年より現職。著書に『世界最強の女帝 メルケルの謎』(文春新書)。
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