中国「城管」の暴力と官尊民卑思想

執筆者:野嶋剛 2013年6月14日
タグ: 中国 台湾 日本
エリア: アジア

「城管」の市民への暴力事件について、中国のニュースで騒がれることが多い。いま、中国社会で一番の嫌われ者は、おそらく城管ではないだろうか。

 城管は日本人には耳慣れない言葉だが、中国人は子供でも知っている。大通りの歩道で海賊版のDVDや衣類を売っている露天商の人たちが、突然「城管来了!」と叫んだかと思うと、あっという間に撤収していく姿は、中国の風物詩のようになっている。

 先日、中国陝西省の延安市で、市の城管が市民を殴る蹴るの様子が通行人のスマホで撮影され、中国版ツイッター「微博」で散布されて大騒ぎになった。その後、延安市は骨折などの大けがを負った市民に謝罪し、治療費と賠償金を払うことを表明した。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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