「中国経済の減速」と「アフリカ・バブルの崩壊」

執筆者:平野克己 2013年7月9日

 アフリカの経済成長はいつまで続くのか。そろそろこのテーマについて考えておかなければならない。アフリカ経済に関する期待が、とくにユーロ危機後、過剰に膨らんでいるように思われるからだ。近年アフリカビジネスの“はやり”はエクイティファンドだが、彼らはアフリカ経済への期待を煽って資金集めに精を出していると、私にはどうしても思えてしまう。分厚い人口ボーナスの存在を根拠にアフリカの経済成長を内発的で長期的なものだとする議論がなされているが、これに妥当性がないということは以前に指摘した(「アフリカ『人口ボーナス論』を見直すべし」(2013年5月18日))。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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