「アドバーテインメント」に蝕まれるアメリカ

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2005年5月号
タグ: アメリカ
エリア: 北米

その“体現者”オプラ・ウィンフリーのやり方を通し、宣伝と娯楽を渾然一体にする広告業界の現状を描く。[ワシントン発]ファンの間ではただの「オプラ」で通用するオプラ・ウィンフリーは、立志伝中の億万長者で、テレビのトーク番組の女王の座に君臨する。『オプラ・ウィンフリー・ショー』は全米二百十一局、世界百五カ国で放送され、伝えられるところでは年間一億五千万ドル(約百五十七億円)以上を稼ぎ出すという。その影響力たるや、大統領候補までもが彼女のお墨付きを得るため、私生活にまで踏み込んだ鋭い質問を浴びるのも覚悟の上で、番組に出演したがるほどだ。彼女のイニシャルを冠した雑誌『O』は、二百七十万部の発行部数を誇っている。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン(るいーずぶらんそん) イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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