[ローマ発]四月八日に行なわれたローマ法王ヨハネ・パウロ二世の葬儀には、ブッシュ米大統領をはじめ二百人もの国家元首や指導者が列席し、世界中から三百万人以上の信者が駆けつけ、さらには億単位の人々が五大陸に中継された葬儀の様子をテレビで見守った。 何がこれほどの人々を引き寄せたのか。それは、二十六年に及ぶヨハネ・パウロ二世の統治が前例のないものだったからだ。世界百三十カ国・地域を旅し、祖国ポーランドの民主化に寄与した一方で、イラク戦争への反発から訪米を忌避するなど、常に世界のメディアの注目を集め続けてきた。ヨハネ・パウロ二世を受け入れなかったのは中国とロシアだけで、法王は最後までこの二カ国訪問を願っていた。
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