経済発展のスピードだけは国内が“ひとつ”でなくてよいとトウ小平が認めた「改革・開放」。胡政権はいま、そこからの大転換を迫られている。 七月二十一日夕刻に中国政府が発表した人民元の切り上げは、瞬間的には世界に驚きと期待を与えたが、時間がたつにつれ、疑問と失望を広げている。二・一%というあまりに小幅な切り上げ幅は、「一日あたり上下〇・三%」という市場変動による連続的な切り上げの可能性を今後に秘める。だが、中国の出方をみていた多くの人には肩すかしの印象しか与えていない。一方で為替市場には「これで終わるわけはない」と追加切り上げの期待も根強く残る。
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