「石油危機40周年」で考える世界のエネルギー事情の変遷

 輸送用燃料としても、石油は大きな転換点を迎えている (C)時事
輸送用燃料としても、石油は大きな転換点を迎えている (C)時事

 いまから40年前の 1973年10月に起きた石油危機は、人類が石油を本格的に使い始めてからおよそ100年目の出来事だった。液体で運びやすく、単位量当たりの発熱量も大きい石油は人類にとってきわめて利便性の高いエネルギーとなり、人類の生活を一変させた。最も大きな変化は、自動車と航空機の発明と普及だろう。徒歩や馬、自転車に依存していた時代に比べ、人の移動距離は数十倍、数百倍に拡大した。石油はもちろん暖房や発電にも利用されるが、それは薪や石炭、天然ガスさらに原子力でも代替されるもので、石油の本質は実は輸送用燃料にある。

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