イスラエル「政界ビッグバン」への期待と不安

執筆者:立山良司 2006年1月号
エリア: 中東

シャロン首相が打って出た政界再編は、イスラエル国内の変化を的確に反映したものだった。三月の総選挙は、中東和平に大きな影響を与える。 イスラエルでは今、「ハマパッツ・ハガドール(ビッグバン)」という言葉が政界やマスコミをにぎわせている。十一月下旬、アリエル・シャロン首相が自ら率いてきた右派政党リクードを離脱し、新しい中道政党「カディマ(前進)」を作った結果、抜本的な政界再編成が始まったからだ。その行方は二〇〇六年三月末の総選挙結果で決まるが、パレスチナ国家樹立も視野に入れたシャロン新政権の誕生も予想されており、パレスチナ側も新党結成の動きを歓迎している。〇六年一月末に行なわれるパレスチナ側の選挙とあいまって、イスラエルの政界ビッグバンは中東和平への突破口となるのだろうか。

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