饗宴外交の舞台裏 (189)

異例の歓迎でようやく“実態が伴った”日・トルコ関係

執筆者:西川恵 2014年2月13日
エリア: 中東 ヨーロッパ
 ソチ五輪開会式では仲良く隣同士だった (C)AFP=時事
ソチ五輪開会式では仲良く隣同士だった (C)AFP=時事

 ロシアのソチ冬季五輪の開会式に出席した安倍晋三首相は貴賓席から日本選手団の入場行進に声援を送ったが、隣に座ったトルコのエルドアン首相と親しげに言葉を交わす様子がテレビ映像で流れた。エルドアン首相は1カ月前、日本を訪問したばかり。2人を並んで座らせたのはロシア側の配慮だろう。

 

トルコ親日の「ルーツ」

 エルドアン首相は1月6日から8日まで、エミネ夫人を同伴して来日した。安倍首相は昨年5月と10月にトルコを訪問しており、この時点で 3回目の顔合わせだった 。ソチで5回目となる会談を行ったプーチン大統領には及ばないが、日・トルコ関係を拡大強化したい両国の意欲が伝わってくる。エルドアン首相の来日には閣僚7人と経済人約100人が同行した。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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