「転がりたがり」の伝統

執筆者:星野 智幸 2014年3月26日
エリア: 中南米

  世界中どこへ行ってもアルゼンチンの選手だけは見分けがつく。

 その1、長髪が多い。それも、無造作にワイルドに伸ばしっぱなし、という印象の黒い長髪。何が起源なのかはわからないが、アルゼンチンが1978年のW杯で初優勝を遂げたときには、スターのマリオ・ケンペスが長髪だったから、その伝統かもしれない。もっとも、あの時代はまだ長髪フォークソングの文化が残っており、どの国にも長髪のサッカー選手はいて、ケンペスはたんにその1人だったのだろう。だとすれば、アルゼンチンのサッカー選手は、1970年代カウンターカルチャーの長髪文化を、今でも保存している希有な人たちということになる。

カテゴリ: スポーツ
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