粉雪を思わせる真っ白な表紙の本。読むと、その白さは恐ろしい「粉」を表現していることに気づく。 著者の安部司さんは、かつて「添加物の商人」として大活躍していた。大学を卒業して入った会社がたまたま添加物を売る商社だった。加工食品が増え、便利さ、手軽さが追求される時代背景も手伝って、トン単位で添加物を売る毎日だった。 売り上げを伸ばすおもしろさに夢中になっていたある日、三歳の長女がミートボールを食べるのを見て、一気に目が覚めたという。それは自分が開発した、三十種類の添加物とくず肉で作ったミートボールだった。翌日には会社を辞めた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン