グローバル・ビジネスの新地政学 (16)

タイはどこへ行くのか――「ASEAN中枢国」の苦悩

執筆者:森山伸五 2014年4月16日
エリア: アジア
 インラック首相「失職」の可能性も (C)AFP=時事
インラック首相「失職」の可能性も (C)AFP=時事

 タイが出口の見えない政治混乱のなかで、苦しんでいる。首都バンコクと周辺地域に出されていた非常事態宣言は3月19日に解除されたものの、憲法裁判所 は2月2日に実施した総選挙を無効と判定、やり直しを命じた。インラック政権の正当性は事実上、否定され、国を代表する権力は宙に浮いた状況。さらにインラック政権が進めたコメの買い取り制度をめぐって、インラック首相が国家汚職追放委員会から告発されており 、「政権がいつ“即死”してもおかしくない」(タイの大学教授)状況。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心であり、東南アジア最大の生産集積地となったタイの混乱は、日本企業のアジア展開にも影を落としつつある。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top