[ソウル発]韓国の統一地方選挙(五月三十一日)で“テロ”に遭遇した朴槿恵ハンナラ党代表(五四)の姿は、悲壮でかつドラマチックだった。あの姿がハンナラ党に事前の予想を大きく上回る圧勝をもたらした。 有権者は“テロ”に彼女の父母の運命を重ね合わせて同情し、彼女を激励した。彼女もまた非業の最期を遂げた父母の姿を胸に、政治が非情な戦いであるという政治家としての“覚悟”をあらたにした。そして「政治権力とは戦い取るものだ」ということを実感したに違いない。 ちなみに母・陸英修は一九七四年、「八・一五光復節記念式典」の会場で朴正熙大統領を狙撃した在日韓国人・文世光の銃の流れ弾で死亡している。父の朴正熙はそれから五年後、権力内部の暗闘から側近の銃弾を受け暗殺されている。彼女は「政治的悲劇のファミリー」なのだ。
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