北朝鮮秘密警察は信頼できるか:「ミスターX」も保衛部副部長だった

執筆者:春名幹男 2014年7月8日
エリア: アジア

 日本人の拉致被害者や行方不明者らの安否に関する北朝鮮の「特別調査委員会」。金正恩(キム・ジョンウン)政権がこの委員会を発足させたことについて、安倍政権もメディアも高く評価し、拉致問題解決への期待が従来になく強まっているように見える。

 安倍晋三首相は7月3日、対北朝鮮独自経済制裁の一部解除の理由について、「国防委員会、国家安全保衛部という国家的な決断と意思決定ができる組織が前面に出て、かつてない態勢ができたと判断した」と述べた。これを受けた解説記事では「秘密警察関与を評価」(読売新聞)の大見出しも見られた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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