饗宴外交の舞台裏 (104)

ファーストレディー・サミットと消えたグルジアワイン

執筆者:西川恵 2006年9月号

 あまり報じられなかったが、サンクトペテルブルクの主要国首脳会議(サミット、七月十五―十七日)と並行してもたれたファーストレディーたちのサミットは、その社交上手もあって興味深かった。 今回、夫人を同伴した首脳は、主催国のロシアをはじめ、米、英、仏、伊、加、それに欧州連合(EU)委員長(ポルトガル)の七人。独身の小泉首相と女性のメルケル独首相を除くと、妻帯者全員が夫人連れで訪露した。サミットでこれだけの首脳夫人が集ったのは珍しく、恐らくサンクトペテルブルクの魅力と無縁ではないだろう。 ロシア政府はファーストレディーたちのもてなしに知恵を絞った。美術館や工芸品工房の見学、コンサート鑑賞などお決まりのコースのほか、学生や専門家を交えて教育問題についての討論会を開いた。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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