発展速度を早めるインドで日本はなにができるのか 2 インドを動かす意外な力――官僚制、州政府、左翼
今年六月、独フォルクスワーゲン(VW)はインド北部のパンジャブ州に自動車工場の建設を決めた。VWが当初、進出を目論んでいたのは、南部のアンドラプラデシュ(AP)州だったが、こちらは昨年発覚した汚職事件で水に流れた。AP州側の企業誘致担当者とVWの子会社幹部の間に不明朗な金銭のやりとりが発覚し、印独両国で一大スキャンダルとなったのだ。「個別の外国企業の誘致は各州政府の仕事」。インドの経済政策の絵図を描く計画委員会の首席顧問、プロナブ・セン氏はそう断言する。インドに進出する外国企業は増加の一途だが、一方で、インド各州の間では誘致競争が激化している。
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