民間資本の蓄積が乏しかったインドではタタ、ビルラなどの有力財閥がほぼ独占的に国内の経済活動を担ってきた。だが、これらの財閥も世代交代や国際化の流れの中で徐々に経営改革を迫られ、ITや電気通信、大型小売業といった新分野への多角化を進める一方、外国企業の買収など事業の海外展開にも積極的に取り組み始めた。 インドで最も著名な財閥「タタ・グループ」は、コーヒー・紅茶から自動車、鉄鋼、電力、そして電気通信やIT、ホテルチェーンまで七部門九十三社を抱える巨大コングロマリットで、インド人の生活はタタを抜きには語れない。同グループの二〇〇五年度総売上高は約二百二十億ドル。インドの国内総生産(GDP)の実に二・九%を占めた。
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