提携失敗続く三洋電機 ついに「社長交代」の観測も

執筆者: 2006年10月号
タグ: 中国 台湾

 三洋電機の経営再建プランの綻びがとまらない。フィンランドのノキアとの携帯電話事業が白紙撤回されたのに続き、台湾の電子機器メーカー、広達電脳との薄型テレビの「製造部門を含めた事業統合」計画は、企画・開発に絞った「合弁会社設立」に後退。「三洋の液晶テレビに関する技術力と財務力の脆弱さ」(広達関係者)が腰を引かせたようだ。合弁会社への広達側の出資額は千九百万円、役員派遣もわずか一人。「ノキアに続き広達との計画まで撤回されれば、市場から完全に信用を失う」(大手証券幹部)ため、首の皮をつないだ格好だが、赤字が続く白物家電の、中国・ハイアールとの提携強化にも黄信号が灯ったとの見方も出ている。社内では井植敏雅社長らに対する退陣要求が高まり、出資者である米ゴールドマン・サックス証券も新社長の招聘を模索し始めたという。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top