「人手不足」と外国人 (3)

「人手不足」と外国人(3)日本を去る「日系ブラジル人」たちの言い分

執筆者:出井康博 2014年10月6日
タグ: 人手不足 日本
エリア: 中南米

 景気の回復と人手不足が伝えられるというのに、日本を去っていく日系ブラジル人が後を絶たない。2007年には約32万人に上った日本在住のブラジル国籍者の数は、昨年末で約18万人にまで減った。

 1990年の出入国管理及び難民認定法(入管法)改正以降、就労目的で来日する日系ブラジル人は増え続けていた。「出稼ぎ」はやがて「移民」へと変わり、日本社会へ定着するかに思われた。しかし08年に「リーマン・ショック」が起きると、ブラジルへの逆流が始まった。そして現在まで、その流れが止まる気配はない。

 人手不足は様々な職種で深刻化している。多くの日系ブラジル人が働く製造業もその1つだ。仕事はあるはずなのに、なぜ彼らは日本を離れていくのか。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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