[パリ発]一九二二年のオスマントルコ帝国崩壊以降、トルコはヨーロッパに寄り添うことで経済発展やNATO(北大西洋条約機構)加盟、そして躓きながらも「民主主義」といった果実を手にしてきた。その結果、アメリカやヨーロッパが他のイスラム諸国の「お手本」として挙げる政教分離の国ともなった。 しかし、EU(欧州連合)加盟問題をめぐっては、トルコとヨーロッパの関係は急速に冷えつつある。 相互不信と口論の中でいま問われているのは、サミュエル・ハンチントン・ハーバード大教授が冷戦の終わりに著書で予測した「文明の衝突」を避けるために、トルコが仲介者としての役割を果たすことができるか否か、という重大な問題である。
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