「人手不足」と外国人 (5)

「人手不足」と外国人(5)「留学生30万人計画」の悲しき実態

執筆者:出井康博 2014年12月2日
エリア: アジア
 「留学生30万人計画」は2008年、福田康夫内閣で打ち出された (C)時事
「留学生30万人計画」は2008年、福田康夫内閣で打ち出された (C)時事

 政府が「留学生10万人計画」の実現に向け躍起になっていた2000年代初め、中国などから出稼ぎ目的で入国する“偽装留学生”の増加が問題となった。彼らは地方の短期大学などに籍だけ置き、留学生に許可される時間以上の不法就労に従事していた。そして「留学生30万人計画」が推進されている今、「留学」を隠れ蓑にして来日する外国人が再び目立ち始めた。

 留学生のアルバイトは、法律で「週28時間」以内しか許されない。しかし、実態は形骸化している。人手不足の深刻化もあって、規定を超えて働くことは簡単だ。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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