仏連続テロ「既視感」から浮かぶ「教訓」

執筆者:国末憲人 2015年1月21日

 どこで見た光景だろうか。フランスの連続テロの周囲に漂う「デジャビュ」(既視感)が気にかかる。

 その1つを確かめようと、ちょうど訪ねたパリで、中心部の共和国広場に行ってみた。テロ後初の日曜日となった1月11日、100万人以上の市民が「言論の自由を守れ」と訴えて行進した場所だ。

 広場の中心には、フランス共和国を象徴する女性像「マリアンヌ」の記念碑がそびえ立つ。その周囲を、市民が持ち寄ったペンや鉛筆が今も取り囲む。同時に捧げられた花束と、記念碑のあちこちに落書きされた連帯の合言葉「私はシャルリー」――。

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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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