「ポデスタ大統領顧問」辞任と「クリントン氏出馬表明」のタイミング

執筆者:足立正彦 2015年1月31日
エリア: 北米

 2014年1月から1年間、大統領顧問としてオバマ大統領をホワイトハウスで支えてきたジョン・ポデスタ氏が、2月初旬にホワイトハウスを去ることが1月13日に明らかになった。後任には、大統領上級顧問という立場で行政管理予算局(OMB)の副局長に就任していたブライアン・ディーズ氏が起用された。元々、オバマ大統領がポデスタ氏に顧問就任を要請した際、同氏は1年限りという条件で受諾していたこともあり、予定どおりの辞任となる(「オバマ政権『ポデスタ大統領顧問』起用の意味」2013年12月16日)。

 しかし、ポデスタ氏の今後の去就が米国政治にとり非常に重要な意味を持つため、今回の辞任について米国主要メディアの注目が集まっている。というのも、本人は辞任後の具体的計画についてメディア等には一切明らかにしていないが、もしヒラリー・クリントン前国務長官が2016年大統領選への出馬を決断した場合、2度目となるホワイトハウス挑戦に向けた彼女の選挙キャンペーンをポデスタ氏が積極的に支援する可能性が極めて高いと見られているためである。つまり、ポデスタ氏の辞任は、クリントン前国務長官が本格始動する時期が近づきつつあることを意味するのである。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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