訪日外国人「激増」の深層と可能性

 家電品を大量にまとめ買いする中国人も珍しくない(C)時事
家電品を大量にまとめ買いする中国人も珍しくない(C)時事

 日本政府観光局(JNTO)の推計によると、昨年1年間に日本を訪れた外国人は1341万人と過去最高を記録した。前年の2013年に初めて1000万人の大台に乗せたばかりで、1年で300万人、率にして29%という驚異的な伸びとなった。

 大挙して外国人が日本に押し寄せているのは、間違いなくアベノミクスの効果だ。大胆な金融緩和によって円安が進んだことで、旅行費用が割安になったアジア諸国で日本観光ブームが起きているのだ。日本政府によるビザ発行要件の緩和や、日本旅行キャンペーンなど、地道な努力が実を結んできたとも言えるが、何よりも円安が利効いているのは間違いないだろう。

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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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