巨星「リー・クアンユー」死去後のシンガポールの行く末

 3月23日の払暁、1959年に就任して以来4半世紀にわたって首相を務め、現在のシンガポールの繁栄の礎を築き「建国の父」と讃えられるリー・クアンユー(李光耀)が、91歳の生涯を閉じた。

 広東省出身の客家の4代目として1923年にシンガポールに生まれた彼の足跡を簡単に綴っておくと、英国留学(1946年)、シンガポールに戻り弁護士(1950年)、PAP=人民行動党創設(1954年)、英国から独立しシンガポール自治州が成立(1959年)、総選挙でPAPが勝利し、初代自治州首相(1959年)、シンガポール州として参加しマレーシア連邦成立(1963年)、マレーシア連邦から分離・独立(1965年)、首相を後任のゴー・チョクトン(呉作棟)に譲り上級相(1990年)、長男リー・シェンロン(李顕龍)の首相就任を機に顧問相(2004年)、顧問相辞任(2011年)――。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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