大蔵省のような業界との癒着から離れ、処分行政を展開したのは正しかった。今後は郵政への指導など、より前向きな役割が求められる。「メガバンクが公的資金を返済し、金融が“平時”の状態に移って久しいのに、金融庁はまだそれに対応した行政のあり方を描けていない。佐藤(隆文)がどんな将来像を描くのか。“金融処分庁”のままなら、いつまでたっても二流官庁だ」 かつて銀行行政も担当した財務省OBは金融庁の行方をそう案じる。今夏、三年にわたりトップを務めてきた五味廣文長官(五七)は勇退して顧問となり、佐藤隆文監督局長(五六)が長官に昇格する見通し。金融庁のトップ交代は日本の金融行政にとってひとつの転換点になりそうだ。
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