金正日の肥満に見る「政治性」と「危険性」

執筆者:黒田勝弘 2007年11月号
エリア: アジア

繰り返し流れる健康不安説。今回の南北首脳会談でも見事な“太鼓腹”を披露したが、そこには奥深い理由がありそうだ。[ソウル発]七年ぶりに平壌で行なわれた第二回南北首脳会談(十月二―四日)における最大の印象は、金正日総書記の“太鼓腹”だった。その肥満ぶりは以前からのものだが、今回はそれがいやに目立った。平壌に到着した盧武鉉大統領を迎える歓迎式で、その張り出した太鼓腹がタテ、ヨコ、ナナメあらゆる角度からテレビに映し出されていた。 なぜ今回ことのほか目立ったかというと、顔や頭髪は年齢(満六十五歳)に比べ老けてみえ、さらに下半身もまた(ズボンの中だったが)その歩行ぶりから、それほどしっかりしているとは思えなかったのに、腹だけがパンパンに張り出していたからだ。

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