「歳出カット」か「経済成長」か:財政健全化計画巡り対立激化

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2015年5月22日
エリア: 日本

 政府が6月末に決める財政健全化計画を巡る経済財政諮問会議での議論が佳境を迎えている。安倍晋三内閣は2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標を掲げているが、その達成方法を巡って、諮問会議の民間議員と財務省などの間で綱引きが激しくなっている。

「経済再生」と「財政再建」はともすると相反する。国民の負担を増やして消費が落ち込めば経済成長は鈍化し、税収も落ち込んでしまう。かといって、経済成長を旗印に公共事業などに大盤振る舞いしても、その分税収が増えなければ財政は悪化する。この「経済再生」と「財政再建」をどうやって両立させるか。根本的な思想の違いが表面化しているのだ。

 

「国民に痛みを求めることばかり」

 伊藤元重東大教授らの民間議員は、アベノミクスによってようやく見え始めた経済成長の芽をつぶさないように、経済成長や税収増につながる歳出はなるべくカットせず、歳出の枠組みを大胆に変えることで歳出を抑制すべきだと主張している。これに対して、財務省は従来の手法を前提に、一律に近い形で大幅な歳出カットを進めるべきだという立場を崩していない。

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執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
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