「理容と美容の縄張り」とは? 進まない「規制改革」の現実

原英史
執筆者:原英史 2015年7月1日
エリア: 日本

 政府の規制改革会議(議長:岡素之・住友商事株式会社相談役)が6月16日にまとめた「第3次答申」(安倍内閣になって3回目の、年に1度の答申)では、約180項目の規制改革事項が盛り込まれた。病院敷地内の薬局(医薬分業の一部緩和)、耕作放棄地の課税強化、理容・美容の兼業容認、解雇の金銭解決の検討開始などの事項だ。

 すでにマスコミでも指摘されているとおり、昨年の決定(農協改革、労働時間規制改革などを決定し、今国会に法案提出されている)と比べ、小粒感は否めない。強いて大玉といえば、解雇の金銭解決ぐらいだが、これは「平成27 年中、可能な限り速やかに検討開始」、つまり、これからようやく入口に入る段階だ。
 安倍首相は昨年初頭に「今後2年間で岩盤規制を打ち破る」と宣言し、成長戦略の中核に岩盤規制改革を位置付けた。しかし、約1年半を経て、残念ながら、まだまだ道は遠いと言わざるを得ない。

「理容」と「美容」

 そうした中、「こんなばかげた規制があったのか」と話題を集めたのが、「理容と美容の縄張り」に関する規制だ。
「男性が美容院でカットしてもらうのはNG」というのだから、さすがにおかしい。マスコミなどでも取り上げられ、規制改革会議で答申をまとめるまでのプロセスでは、数回にわたって議題とされた。

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執筆者プロフィール
原英史
原英史 1966年東京都生れ。東京大学法学部卒、米シカゴ大学院修了。89年通商産業省(現・経済産業省)入省。大臣官房企画官、中小企業庁制度審議室長などを経て、2007年から安倍・福田内閣で行政改革・規制改革担当大臣の補佐官を務める。09年7月退職。株式会社政策工房を設立し、政策コンサルティング業を営む。大阪府・市特別顧問、国家戦略特区ワーキンググループ委員(内閣府)、社会保障審議会年金事業管理部会委員(厚生労働省)を務めるほか、NPO法人万年野党理事、「地方議会を変える国民会議」発起人など。著書に『官僚のレトリック』(2010年、新潮社)、『「規制」を変えれば電気も足りる』(2011年、小学館101新書)、『日本人を縛りつける役人の掟/岩盤規制を打ち破れ』(2014年、小学館)、『国家と官僚』(2015年、祥伝社新書)。
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