オバマ政権「対キューバ政策転換」に反発する「共和党主導の米議会」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年7月8日
エリア: 北米 中南米

 昨年11月に行われた米国中間選挙で与党・民主党は歴史的惨敗を喫したが、翌月、オバマ大統領はキューバと国交正常化交渉を開始することに合意したことを発表し、米国内のみならず、国際社会をも驚かせた。ローマ法王庁の仲介で米・キューバ両国は1年半にも及ぶ9度の秘密交渉を重ね、国交正常化交渉の開始に関する合意に至った。さらに昨年末の発表から4度の高官協議を経て、米国とキューバは1961年1月の国交断交以来実に54年ぶりに7月20日に国交正常化を実施すると、オバマ大統領が7月1日に正式に発表した。7月20日にはハバナとワシントンそれぞれに大使館を再開させることでも合意した。

 

33年ぶりの「テロ支援国家」指定解除

 距離にしてわずか約140キロしか離れていない両国の国交正常化にとり最大の障害となっていたのは、米国によるキューバの「テロ支援国家(State Sponsors of Terrorism)」の指定解除問題であった。キューバはイラン、スーダン、シリアとともに米国により「テロ支援国家」に指定されていたが、南米やアフリカでのテロ活動や共産主義運動を支援しているとの理由で指定されたのは、レーガン政権時代の1982年で、以来、金融制裁措置が続けられていた。そのため、キューバ政府は米国内の金融システムにアクセスすることができず、口座開設も禁止されてきたために、ワシントンに大使館を再開させる上で金融制裁措置の解除は不可欠であり、キューバ側は高官協議で再三要求していた。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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