「天安門城楼」の外交戦(下)北朝鮮の孤立と「人工衛星」
中国は朴槿恵(パク・クネ)大統領に最大級の厚遇をしたが、これと対照的だったのが北朝鮮の崔龍海(チェ・リョンヘ)党書記だ。崔龍海党書記は努光鉄(ノ・グァンチョル)人民武力部第1副部長や李(リ)ギルソン外務省次官を同行して瀋陽経由で9月2日、北京入りした。
中国は、崔龍海党書記を30人の最高指導者級来賓の1人として分類した。崔龍海党書記の父親は金日成(キム・イルソン)主席とともに旧満州で中国共産党傘下の東北抗日連軍で抗日パルチザン闘争を展開した崔賢(チェ・ヒョン)元人民武力部長だ。
崔龍海党書記は2013年5月に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の特使として訪中し、習近平主席と会見し、金正恩第1書記の親書を伝えた。北朝鮮はそれまでは、朝鮮戦争の休戦協定の白紙化などを宣言し、極度の挑発路線を走ったが、この崔龍海特使の訪中を機に、挑発路線を沈静化させていった。
中国は中朝関係を考慮、さらに習近平主席は2013年に会見に応じているだけに、崔龍海党書記に対しても首脳レベルの処遇をするのではないかと見られたが、結果はそうではなかった。
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