不況期に入った「アフリカ経済」にとっての「インフラ」の重要性

平野克己

 アフリカ経済の傷みが徐々に数字になって表れてきた。ナイジェリア統計局が8月に発表した今年第2四半期の経済成長率は、年率換算で2.35%だった。南アフリカ統計局は8月に、第2四半期の経済成長率をマイナス1.3%と発表したが、この、予想を超える減速ぶりは驚きであった。さらに、IMF(国際通貨基金)のアンゴラ調査団が8月に出した同国の経済成長率の予測値は3.5%だった。

 いたずらに楽観的な「rising Africa narrative(アフリカ上昇物語)」は、すっかり影を潜めている。資源価格の回復は少なくともあと2年は望めないという意見が大勢となり、中国経済の減速も明瞭になったいま、アフリカ成長神話を繰り返しても投資家に響かないのだろう。よいことである。国際情勢をみるにあたって幻影は禁物だ。

 ナイジェリア、南アフリカ、アンゴラの上位3カ国で、サブサハラ・アフリカ全生産の半分以上を占める。ナイジェリアとアンゴラは外債を増発して外貨収入を確保しようとしており、加えて予算削減に取り組んでいる最中だ。だが、外債の発行条件はかなり悪くなっていて、相当の金利負担を覚悟しなければならない。下手をすれば1980年代債務危機の二の舞になる。2000年以降の債務削減でアフリカ諸国の重債務は一掃されたが、その後、主には中国からの借り入れで、債務比率は再び上昇傾向にある。輸出収入の減少が避けられないなかでさらに債務を積み増すことに、IMFなどは否定的だ。

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執筆者プロフィール
平野克己
平野克己 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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