国際論壇レビュー

「米中首脳会談」で顕在化した「ツキディデスの罠」への懸念

 公式訪問の首脳会談後の記者会見で、これほど露骨に対決姿勢を見せつけることは、あまりないだろう。冷戦時代の米ソ対決を思い出した――。

 9月25日、ホワイトハウスのローズガーデンに立ったオバマ大統領は、習近平国家主席に米国を標的にしたサイバー攻撃を「やめさせよ」と求めたことを明らかにし、違反者はあらゆる手段を用いて追及すると、脅しつけるように言った。対する習主席は、南シナ海の領有権問題で「島々は古来中国領土だ」と、頑として譲る気配もない。【Remarks by President Obama and President Xi of the People's Republic of China in Joint Press Conference, whitehouse.gov

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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