「IS」との連携を図る「ボコ・ハラム」:米国は部隊投入で対応

白戸圭一
執筆者:白戸圭一 2015年10月27日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米 中東 アフリカ

 ナイジェリア発祥のイスラム武装組織ボコ・ハラムについては、本欄で何度か取り上げてきた。その存在と動向が日本で最も注目されたのは、2014年4月にナイジェリア北東部チボクで200人以上の女子中高生を集団で連れ去り、彼女たちを「奴隷として売る」などとビデオ映像で喧伝した事件の時であった。その後、ボコ・ハラムがメディアの注目を集める機会は激減したが、今なお活発に活動している。

カメルーンに300人派遣

 そのボコ・ハラムをめぐって、新たな動きがあった。オバマ米大統領が10月14日、ボコ・ハラム対策のために、米軍部隊300人をナイジェリアの隣国カメルーンに派遣する計画を明らかにしたのである。ボコ・ハラムに関する情報収集、偵察などが目的で、既に先遣隊90人が10月12日に現地入りしたという。

 周知の通り、厳しい財政事情や海外派兵を嫌う米国内世論のために、オバマ政権は米軍の海外派兵に極めて慎重な政権である。加えて米国はこれまでナイジェリアに死活的に重要な国益を有していたわけではなく、ボコ・ハラム対策に米軍を投入したところで、腐敗した士気の低いナイジェリア政府軍がカウンターパートでは効果が期待できないという理由もあった。この辺りの事情は以前、「ボコ・ハラム『少女大量拉致事件』が解決しない理由」(2014年8月1日)「ボコ・ハラム:日本メディアが報じない『ナイジェリア政府軍』の蛮行」(2015年1月7日)で紹介した。

執筆者プロフィール
白戸圭一
白戸圭一 三井物産戦略研究所国際情報部 中東・アフリカ室主席研究員。京都大学大学院客員准教授。1970年埼玉県生れ。95年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局、外信部を経て、2004年から08年までヨハネスブルク特派員。ワシントン特派員を最後に2014年3月末で退社。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞)、共著に『新生南アフリカと日本』『南アフリカと民主化』(ともに勁草書房)など。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
逆張りの思考
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
最新コメント
最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順