スー・チーが直面する「ミャンマーの難題」を整理する

竹田いさみ

 ミャンマー連邦議会の総選挙で圧勝したアウン・サン・スー・チー党首率いる国民民主連盟(NLD)が、単独で新政権を樹立出来ると思いきや、現実はそうではない。スー・チー氏の目前に立ちふさがるのは、総選挙で大敗したはずの軍部に他ならない。NLDと軍部との連立政権――これがミャンマー新政権の実像となる。
 軍出身のテイン・セイン大統領が、与党・連邦団結発展党(USDP)の敗北を予想しながら総選挙に踏み切り、野党のNLDに政権を平和裏に明け渡すとの決断をした背景には、いったい何があるのであろうか。軍部からの支援を取り付けないままで、スー・チー氏が順調に政権運営を出来るはずがないと、軍部は緻密な計算を働かせていた可能性がある。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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