国際論壇レビュー
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「トランプ現象」で浮き彫りになった米社会の「地殻変動」

会田弘継

 今年も余すところ少なく、間もなく2016年を迎える。いよいよ米大統領選の年だ。オバマ大統領の跡を襲うのは誰か。11月の投票に向け、2大政党の本格的候補者選び(予備選)がいよいよ2月から始まる。

 大統領奪還を目指す共和党では本命とされていたジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事の人気が低迷、イスラム教徒や中南米移民排撃で暴言の限りを尽くす富豪トランプ氏が断トツで支持率トップを突っ走る。人種的少数派の支持なくして共和党の将来はないと見る党指導部は大困惑だ。

 他方、民主党の候補者選びはヒラリー・クリントン前国務長官に収斂しているが、社会主義者を標榜するサンダース上院議員が予想外に健闘している。

 移民排撃に社会主義――。いったいアメリカに何が起きているのか。アメリカ論壇の議論を追ってみよう。

 

労働者の不満に応えているか

 トランプの突出は共和党における「階級闘争」の表出だ。世論調査を基に、そう論ずるのは『ワシントン・ポスト(WP)』紙のベテラン政治コラムニスト、E・J・ディオンだ。「億万長者のトランプは共和党を支持する労働者階級のヒーローなのだ」とディオンは言う。【Class war comes to the GOP, The Washington Post, Dec. 7

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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