【ブックハンティング】チベット問題を「国内問題」に矮小化する習近平の「新方針」

 華僑や華人の存在に関心を持つようになって35年ほど。この間、東南アジア・中国・台湾・香港・マカオはもとよりオーストラリア、イギリス、オランダ、ベルギー、インド、ネパールなどにも足を運び彼らの日常に接し、彼らのネットワークの一端に身を置き、彼らの国境を越えた国際的集会にも何回か参加し、そこで得られた資料や見聞などから何本かの論文を綴り、何冊かの本も出版した。

 この間、「華僑も華人も海外在住の漢族、あるいはその末裔であり、華僑とは中国公民で華人とは中国公民の地位を捨て他国の国籍を取得・保持する者」を基本姿勢としてきた。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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