スーパー・チューズデー:クリントン氏の「課題」と共和党指導部の「憂鬱」

執筆者:足立正彦 2016年3月4日
エリア: 北米

 共和、民主両党の大統領候補指名獲得争いの今後の方向性を決めることになるスーパー・チューズデーが3月1日に行われ、全米10州以上で一斉に予備選挙、党員集会が実施された。共和党では合計595名、民主党では合計865名の代議員がそれぞれ選出された。共和党では実業家兼テレビパーソナリティーのドナルド・トランプ氏が、また、民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官が他候補を寄せ付けない強さを示し、それぞれ指名獲得に向けて大きく踏み出す結果となった。

 

「リベラル派の牙城」でも勝利

 最初に、スーパー・チューズデーが民主党の指名獲得争いにもたらした意義について検証したい。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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