スーパー・チューズデー:クリントン氏の「課題」と共和党指導部の「憂鬱」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2016年3月4日
カテゴリ: 国際 政治 社会
エリア: 北米

 共和、民主両党の大統領候補指名獲得争いの今後の方向性を決めることになるスーパー・チューズデーが3月1日に行われ、全米10州以上で一斉に予備選挙、党員集会が実施された。共和党では合計595名、民主党では合計865名の代議員がそれぞれ選出された。共和党では実業家兼テレビパーソナリティーのドナルド・トランプ氏が、また、民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官が他候補を寄せ付けない強さを示し、それぞれ指名獲得に向けて大きく踏み出す結果となった。

 

「リベラル派の牙城」でも勝利

 最初に、スーパー・チューズデーが民主党の指名獲得争いにもたらした意義について検証したい。

 クリントン氏は2月に行われた「序盤州」の後半のネヴァダ州党員集会、サウスカロライナ州予備選挙で連勝し、格差是正を掲げるバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)の「弾み」を既に削いでいた。スーパー・チューズデーでクリントン氏は、テキサス、ジョージア、アラバマ、アーカンソー、テネシー、ヴァージニアの南部6州で圧勝するとともに、ニューイングランド地方のリベラル派の牙城であり、サンダース氏にとり絶対に負けられなかったマサチューセッツ州や米領サモアでも勝利を収めた。他方、サンダース氏は自らの選出州であるバーモントとともに、オクラホマ、ミネソタ、コロラドの4州で勝利しただけとなった。クリントン氏はスーパー・チューズデーを迎える直前には各種世論調査でサンダース氏が優勢、あるいは、接戦となっていたマサチューセッツ、ミネソタ両州に乗り込むなどサンダース氏が勝利しなければならない地域に攻め込むかたちでスーパー・チューズデーを迎えた。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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