「韓国総選挙」を検証する(上)誰も予想しなかった与党「セヌリ党」の惨敗

平井久志
執筆者:平井久志 2016年4月25日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 朝鮮半島
4月13日、総選挙の出口調査結果を伝えるテレビ報道を険しい表情で見つめる与党セヌリ党の党員たち(韓国・ソウル)(C)EPA=時事

 韓国で4月13日に行われた総選挙の結果は、誰も予想しなかったような与党の惨敗、野党の勝利だった。韓国憲法第1条第2項「大韓民国の主権は、国民に存し、すべての権力は、国民から由来する」を思い知らせるような選挙結果だった。
 当初、圧勝の予想が高かった与党「セヌリ党」は122議席(改選前146議席)で過半数獲得に失敗しただけでなく、第2党に転落した。野党「共に民主党」は選挙直前に分裂し多くの離党者を出しての選挙だったが、123議席(同102議席)と議席を増やし1議席差ながら第1党になった。「共に民主党」から離党して安哲秀(アン・チョルス)共同代表らが結成した野党第2党「国民の党」は、改選前の20議席を倍近くにする38議席を獲得して大躍進を遂げた。左派の「正義党」も6議席(同5議席)と議席を伸ばした。無所属は11議席で、このうち与党「セヌリ党」から公認されず、離党して無所属で当選した候補が7人だった。「セヌリ党」は7人の復党を認める方針だが、復党しても議席は129議席で、第1党の座は回復しても、過半数の151議席には遠く及ばない。韓国国会は「与小野大」(少数与党)となった。
 与党の惨敗で、2018年2月まで残り任期1年10カ月を残した朴槿恵(パク・クネ)政権は国会で自らの思うように法案を通すことが困難になり、急速にレームダック化するのは避けられない見通しだ。 

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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