台湾総統「蔡英文」の名に触れなかった中国共産党

執筆者:村上政俊 2016年5月31日
タグ: 中国 香港 台湾
エリア: アジア

 5月20日、台湾で「反日親中」の馬英九氏から「親日米」の蔡英文氏に総統が交代したことで、中台関係は今後どうなるのか。蔡英文氏の総統就任演説とそれに対する中国共産党の反応から読み解いてみたい。
 中国で台湾政策を取り仕切る国務院台湾事務弁公室は、蔡英文氏の総統就任当日、談話を発表した。その中で注目したいのが、「台湾当局の新領導人(新指導者)」とは述べながら「蔡英文」という名前を1度も出さずに就任演説を論評した中国の態度だ。自分たちの意に沿わない人間は、存在自体をも無視したいという中国共産党の願望が露呈した格好だ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
村上政俊(むらかみまさとし) 1983年7月7日、大阪市生まれ。現在、同志社大学嘱託講師、同大学南シナ海研究センター嘱託研究員、皇學館大学非常勤講師、桜美林大学客員研究員を務める。東京大学法学部政治コース卒業。2008年4月外務省入省。第三国際情報官室、在中国大使館外交官補(北京大学国際関係学院留学)、在英国大使館外交官補(ロンドン大学LSE留学)勤務で、中国情勢分析や日中韓首脳会議に携わる。12年12月~14年11月衆議院議員。中央大学大学院客員教授を経て現職。著書に『最後は孤立して自壊する中国 2017年習近平の中国 』(石平氏との共著、ワック)。
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