目覚めるインド国鉄:「準高速鉄道」「駅ナカ再開発」近代化の成否

執筆者:緒方麻也 2016年6月8日
エリア: アジア

 職員約130万人を抱える世界最大級の公営企業として知られるインド国鉄が、利便性向上や収益構造改善を目指し、最高時速160キロに達する準高速鉄道の導入や駅施設の再開発など、本格的な近代化に乗り出した。2023年にも運行開始する日本型「新幹線」や、デリー、バンガロールなどの都市で大きな成果を上げているメトロ(都市高速鉄道)がとかく話題となっているが、収益の柱であるにもかかわらずこれまで改革が遅れていた在来線部門をテコ入れするのが最大の狙いだ。

 

収入は4年間で5割増

 インド国鉄は、日本の鉄道より約20年も早い1853年設立。路線総延長は6万4000キロに達し、米、ロシア、中国に次ぐ世界第4位の鉄道王国である。非効率経営やモラルの低下などで慢性的な赤字体質が続いていたが、政府によるテコ入れの結果、近年の収益は大きく改善している。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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